トマト、キュウリ、オクラ…畑の作物も、じりじりと照りつける日差しを我慢しているような残暑。市川大門の青柳政男さん(59歳)は私有地の畑の一角にあずまやを建て、散歩や農作業の合間に使えるようにと、地域の人に無料で開放しています。 場所は笛吹ライン沿いのガソリンスタンドを曲がって数百bの所。木のぬくもりのある休憩所です。「この辺りは日陰がどこにもなくてね。近所の方にも自由に使ってほしくて造ったんです」 あずまやの建つ畑は、青柳さんが両親から受け継いだものです。「父が亡くなった後、母は一人で畑をやっていました。暇つぶしにもいいと思って」。その母も昨年1月に他界。その後は青柳さんが畑を引き継ぎました。「暇つぶしだなんて、とんでもない。やってみると大変な作業でした」。夏の暑い中、黙々と草取りしていた母の姿が思い出されました。 畑2年目の今年、青柳さんは大工の友人に頼んで休憩所を建てることにしました。6月には完成。中央にはテーブル、いすも備えてあります。敷地の隅に掘った井戸からは、飲み水にもできる冷たい清水もくめるようになっていて、「自由に飲んでほしい」と提供しています。 農作業の一休みに、涼しくなったら読書にと、さまざまな使い道が思い浮かぶあずまや。青柳さんは「娘一家が帰省したら、2人の孫と夕涼みするのが楽しみ」なのだそうです。
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