「♪市川よいとこ紙の町紙の町〜」。明るい音頭のリズムに、女性たちが踊りの輪を広げます。月に2回、市川三郷町民会館の和室に「市川民踊愛好会」のメンバーが集まります。同会は旧市川大門町地区の踊りの4団体などが参加し、今年1月に誕生しました。「市川にある古い歌を掘りおこして踊ることで、町を元気にしたい」と張り切っています。 会には初心者も含め33人が登録。まだ希望者がいるほどの人気です。指導は、町内で踊りの教室を開いている有泉信子さん(市川大門)。80歳を超える年齢とは思えないはつらつさで、みんなの踊りと心を一つにまとめます。会員の年齢は80代から50代ほど。1曲5分も通して踊ると、汗がにじんできます。「健康づくりになるし、足も鍛えられますよ」と、80代の女性も元気に踊ります。 現在、練習しているのは「市川音頭」です。いずれも地元出身で故人の石原文雄さん(詞)と一瀬正造さん(曲)の作。昭和19年ごろの曲で、最近では踊られなくなっていました。有泉さんが振り付け直し、「平成市川音頭」として初心者にも踊りやすく復活させました。 気持ちよく汗を流した後のお茶の時間も楽しみの一つ。新しい出会いも生まれます。会としては体育祭や文化祭、町の夏祭りへの参加など、夢は広がります。 有泉さんは「市川には『紙漉唄(かみすきうた)』など、他にも良い歌があります。たくさん踊って、次の世代に残していきたいです」と話していました。
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