茶道を大成した千利休の言葉「花は野にあるように」の通り、自然の姿のまま飾るのが良いとされます。しかも「満開ではだめ」だという。「始まりには三分咲き、お客様が帰られるころ、五分咲きくらいになるのが理想なのよ」。茶席の日は、午前二時に起きて夜明けの山に花を探しに行くこともあったそうです。茶花を挿す花器にもこだわりがあり、花入れや茶わんなども陶芸で手作りしてきました。 子育て中の30代から茶道を始め、故・小柳津政子さんに師事。甲府にも通いました。自宅で40年ほど続けた教室の門下生は70人以上。「教室で使う茶花を探して、旅行に行っても花ばかり見ていましたよ」と笑います。春は梅、夏のアジサイやホタルブクロ、秋のキキョウ、冬のツバキなど、庭には常に2、3種の花が咲いています。それぞれに思い出のある茶花を眺めながら、最後においしい薄茶を一服、たててくれました。
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