「心のふれあいを求めるのは、どんな人も同じ」。そんな思いの「仲間」が集まる場所があります。市川三郷町では、町と地域のボランティアが手を取り合い、精神障がいなど心の病に悩む人たちの社会参加を応援しています。 町では週2回、上野の三珠健康管理センター2階で精神障がいがある人を対象にデイケア「いこいの家」を開いています。料理、買い物、農作業など生活に役立つ活動を指導員らと一緒に体験。現在10人ほどが通っています。父親のような存在の横谷忠彦指導員は「これからも社会参加につなげていきたい」と、メンバーを見守ります。 また、同センター1階では、心に問題を抱える人が気軽に立ち寄れるようにと、昨秋から心のよりどころサロン「でてこうし」を週1回開設。ボランティアら18人が参加し、悩んでいる人も悩みを聞く人も同じ立場で、一緒にお茶を飲みながら話したり、心の病について学んだりしています。 「いこいの家」と「でてこうし」の交流会も盛んです。6月には、これまで一緒に陶芸で作った茶碗で、抹茶を飲む会も開かれました。デイケアに通う人は「交流会で知り合った人に町内で会うと、声をかけてくれる」と話していました。精神障がいは、知的障がいや身体障がいに比べ、周囲の理解が進んでないと言われています。福祉作業所など、自立に必要な場の整備も遅れています。でも何よりも、「地域の人の温かいまなざしが大切」と、「仲間」たちは呼びかけていました。
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