「しずかな〜しずかな 里の秋〜」。会場全員の大合唱。ホール一杯に歌声が響きます。11月最後の日曜日、市川三郷町民会館で恒例の町民合唱祭が開かれ、町内外から老若男女16グループが参加しました。オープニングでは全員で「里の秋」を合唱。指揮をした印沢の雨宮規矩郎さん(79歳)は、50年近く町の合唱指導に尽力してきました。 合唱祭は市川大門町ふれあいコンサートとして20回、合併後は4回の歴史があり、雨宮さんは実行委員長も長く務めました。今回は3団体を指揮しましたが、参加の約半数には縁があります。市川中をはじめ、小中学校の教員として音楽教育に携わる一方で、ママさんコーラスの立ち上げなど、地元の合唱指導にも力を注ぎました。「中学時代の教え子が、今ではママさんのコーラスにいるんですよ」。40年以上のお付き合いの門下生もいます。 練習ではユーモアを交え分かりやすい言葉で説明します。そして、歌声を丸ごと包み込むような指揮。「雨宮先生に教えてもらうと、初心者でも楽しく歌えます」と、すみれコーラスのメンバー。町民合唱祭の実行委員長を引き継いだ三井正栄委員長は「多くの方に合唱の楽しさを広めてくださったのが雨宮先生。市川の合唱にとって、大きな存在です」と語ります。 雨宮さんは「『たくさんの人に歌う楽しさを知ってほしい』。今まで歩んできた道を振り返ると、そのひとことにみんな詰まっているね」と優しい笑顔で話していました。
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