12月に入ると、「年賀状には何を描こう」と考える人も多いのではないでしょうか。ボールペン1本で、ちょっと個性的な年賀状を描いている人がいます。市川大門の渡辺清さん(73歳)は、15年ほど前から、年賀状の図案に干支(えと)のイラストを描いています。毛の1本1本も丹念に描き込まれた勇猛な牛。2匹並んで駆けるイノシシのウリ坊…。今では、渡辺さんの年賀状のファンもいるそうです。描き方のコツを聞きました。 「まず、どんな姿に描くのか、図案を考えるのに一番時間がかかるよ」と渡辺さん。百科事典などを参考に、自分なりの構想が固まると、いよいよ描き始め。初めは小さな紙に下書き。輪郭が決まると、A4判ほどの大きさの紙にボールペンで描き出します。 平成21年の年賀状は、雄牛が足を踏み出した姿。「体の曲線を、細かな皺(しわ)で表現するのが難しかった」そうです。来年の干支の寅(とら)も、描き上げました。写真のトラをモデルに、強そうに牙を長めにするなど、「本物より、迫力あるように誇張して描く。絵だからできるんだよ」。原画ができたら縮小コピーして、文字とのバランスを取って完成です。 年賀状を送ると、「『いつも楽しみです』とか『この絵はおかしいんじゃない』なんて、言ってくる友人もいるさ。返ってくるコメントも楽しみだよ」と愉快そうな渡辺さん。亥(い)年生まれということで、「元気でいて、次のイノシシが描きたいね」と笑っていました。
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