西八幡の小尾桂さん(72歳)の自宅には、盆栽の鉢植えが150鉢以上あります。五葉松や梅を中心に、庭にずらりと並んでいます。50年ほど前から、小さな苗木から育てたもの。「子どものようにかわいいですよ」と、目を細めます。 盆栽との出合いは、「川に釣りに行ったのがきっかけ」と笑います。独身時代、瑞牆山のふもとに友人と釣りに行き、河原に高さ10aくらいの赤松が生えているのを見つけました。持ち帰って鉢で育てたのが、小尾さんの盆栽第1号でした。以来、五葉松や梅の苗などをまとめて買ってきては、畑で育て、鉢に移して大きくしてきました。33年前、現在の家を建て、増えた鉢は近所の畑を借りて置いています。 40年ものの五葉松は、高さ1b近い大きなものが約20鉢と圧巻。ケヤキの群生や、手のひらに収まるようなカエデなど、秋を迎えると色鮮やかに紅葉。松の緑とのコントラストが美しく、庭を彩っています。玄関や庭の隅には手作りの石灯籠もあり、ちょっとした日本庭園のようです。 甲斐市文化協会の盆栽部に所属し、年に数回ある展示会に出品。仲間たちとの交流も楽しみの一つです。半生を共に過ごしてきた盆栽たち。「元気でいて、世話をしてやらなくちゃね」。妻の清子さんと庭を眺める毎日です。
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