万才1区の主婦らで作る「美園(みその)会」は、7年ほど前から毎年、味噌を共同で手作りしています。今年も3月下旬、50代から70代の男女10人の仲間が、近所の居酒屋「ほがらか」の裏庭に集まり、味噌作りをしました。 大豆70`に、米こうじ、麦こうじ、塩を混ぜ合わせて作ります。豆は大きな釜で前日から煮込み、一度煮汁から上げ、広げて冷まします。この一手間が、おいしさのコツだそうです。次に、機械で豆、こうじ、塩を混ぜ合わせます。混ざったところで、豆を煮たときの残り汁「あめ」を少しずつ入れて、柔らかさを調整しました。 台秤(だいばかり)は昔ながらのもの。年長メンバーの指導で重さを量りながら、各自たるに詰めます。柔らかさの好みは人それぞれ。後から自分のたるに「あめ」を足して「わが家の味」に仕上げていました。 味噌は1年かけて熟成させるので、去年仕込んだ味噌が今、食べ頃です。「嫁いだ娘が、毎年味噌が届くのを楽しみにしているの」「自分の家で食べるより、親戚や友達に配る方が多いよ」。お茶の時間には、味噌のことや持ち寄った漬け物の話などで盛り上がりました。 普段は、2カ月に1度の食事会や年に1度の旅行も一緒に楽しむメンバー。「美園会の名前も『味噌』から付きました。一度作ると他では買えないくらいおいしいですよ」と代表の深沢幸江さん。味噌でつながる仲間たちでした。
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