甲斐市万才にある藤川浩平さん(65歳)の自宅。緑の木々も美しい庭には、門扉から玄関までの通路の脇に、直径50aはある立派な睡蓮(すいれん)鉢や水槽がたくさん並んでいます。美しく浮かぶ睡蓮の花の下をのぞいてみると、藻の中に白い小さな魚がたくさん泳いでいるのが見えました。メダカです。「はじめは4尾だけだったんですよ」。今では、500尾はゆうに超えるほどに増えました。 藤川さんがメダカを飼い始めたのは3年前。それまでは金魚を飼っていましたが、「孫が蚊にさされるので、ボウフラを食べてくれるように」と、メダカのつがいを買ってきたそうです。くみ置きの水を足したり、えさをあげたりと、世話を続けるうちに、鉢の藻の中に小さな卵をみつけました。やがて1_あるかないかの稚魚が誕生。1年間で3aほどに成長し、それがまた卵を産んで、どんどん増えていきました。珍しい真っ白なメダカも数を増やしています。 藤川さん夫婦は娘さん一家と同居していて、琴実ちゃん(9歳)、彩花ちゃん(6歳)、咲花ちゃん(5歳)の孫娘3人も、メダカの世話を手伝います。藤川さんは観光バスの運転手。長期の仕事が入ると、長女の琴実ちゃんが頼もしい助っ人です。「メダカちゃん、ごはんですよ」。末娘の咲花ちゃんがエサを水槽に入れます。「この子たちが嫁に行くときに持たせてあげたいね」。藤川さんは目を細めて話していました。
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