「紙漉ゃ嫌で 家を出て くされ縁 又 嫁く先も 紙漉」―。 「市川紙づくり唄保存会」会長の小林弘史さん(68歳)は、町無形民俗文化財である市川「楮(かぞ)打ち唄」「紙漉(す)き唄」の保存・継承を願い、市川大門の八乙女神明宮に発祥の碑を建てました。 市川の紙づくり唄は、江戸時代から仕事唄として唄い継がれてきたもの。約20年前に保存会が立ちあがり、その後、町無形民俗文化財に指定されました。保存会会長で町立製紙試験場の研究員を長年務めてきた小林さんは、唄が末永く保存・継承されていくことを願い、自費で碑を建てることを決めました。 完成した碑の大きさは高さ80a、幅70a。保存会のメンバーや地元住民、交流のある富山県「越中八尾おわら保存会」の会員らが集まって神事を行い、唄や踊りを奉納しました。 小林さんは、「紙づくり唄には当時の人々の暮らしや思いがよく表れていて大変おもしろい。紙の町として若い人たちに継承していってもらいたい」と話しています。
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