大塚の依田菊枝さん(81歳)は、サトイモの一種「トウノイモ」の茎の加工を手がけています。とても手間のかかる作業ですが、依田さんは「おいしいと喜んでくれる人がいるので」と長年作り続けています。 トウノイモは、イモだけでなく茎も食用で、皮を丁寧にむいてから細長く裂き、天日干しするとかんぴょうのような保存食になります。酢の物にしたり、ずしダネやみそ汁の具にしたりして、シャキシャキとした食感を楽しみます。 依田さんによると、食料が豊富でなかった時代は珍しくない食品でしたが、硬い皮をむく作業やアクで手が黒くなることなどが敬遠され、「最近はあまり出回らなくなった」と言います。 加工した茎は三珠農産物販売組合「安心の館」に出荷しているほか、家族や友人におすそ分けしています。食物繊維が豊富で、「便秘にいい」との声も。依田さんは「喜んでくれるのが張り合い。作業は大変だがこれからも作り続けたい」と笑顔で話しました。
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