しなやかな指がつま弾く弦から、南米の明るい空を思わせる音色が響きます。万才の塚田桐子さんは、南米パラグアイの民族楽器・アルパを演奏しています。県内では数少ない奏者の1人。「多くの人にアルパの魅力を届けたい」と演奏活動しています。 アルパは、西洋のハープ(竪琴)に対し、ラテンハープとも呼ばれます。37弦あり、高さ約150aの木製です。塚田さんとアルパの出合いは8年前。若き女性奏者・上松美香さんの演奏をテレビで見た時でした。「一瞬でとりこになり、すぐに東京へレッスンに通い始めました」。団体職員としての仕事の傍ら、月2回の練習に通います。 おっとりした印象の塚田さんですが、演奏では一変、強さが感じられます。最近では、図書館での演奏など年間約20ステージに出演。ニャンドゥティ(クモの巣)と呼ばれる、色鮮やかな民族衣装のドレスを着て、パラグアイの文化についても紹介しています。2年前には念願のパラグアイを訪問しました。 アルパには陽気な曲、しっとりと落ち着いた曲もありますが、楽譜は無く、耳が頼り。ピアノで培った音感が役立っています。「アルパの演奏を通じて、パラグアイとの架け橋になれたら」。控えめながらも力強い言葉でした。
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