雨宮さんがここに店をオープンしたのは、今から18年前。建築の仕事をしている夫の朗さんとともに、店や約180坪の庭も夫婦で作り上げました。毎年少しずつ増やしたバラは、今では100種類以上。オールドローズ、イングリッシュローズ、名チェリストにちなんだ「ジャクリーヌ・デュ・プレ」など珍しい種類もあります。「この時期は庭にいる時間のほうが長いくらい」。愛情がこもります。 コーヒーのかぐわしい香りが漂う店内には、ピアノやチェロ、楽譜も置かれています。実は雨宮さんは、梨響シニアオーケストラのチェリスト。カフェでは年に4、5回ほど、友人やプロの音楽家を招いたコンサートも開いています。「好きなバラと音楽に囲まれ、大好きな料理やコーヒーをお客様に喜んでいただける。それは本当に幸せです」。清楚(せいそ)なバラのような雨宮さんに、笑みがこぼれました。
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