市川大門の書家・篆刻家の中込龢さん=写真=は、幕末から明治時代にかけて活躍した篆刻家篠田芥津の印譜「生家に遺された印影 篠田芥津印存」を自費出版しました。 A4判、フルカラー98ページに印影935顆を収載。印影から読み取った人物の調査も行い、小伝を付けたほか、篠田家現当主の寄稿も収載しました。中込さんによると、篠田は現在の岐阜県出身。直線的で深遠な作品を数多く残し、後進に多大な影響を与えたほか、「道を曲がる時には直角に曲がった」「豆腐を切る時は定規をあてて切った」といったエピソードも伝えられている人物です。 10年ほど前に中込さんの岐阜県在住の門下生を通じて篠田の生家に大量の印影が保管されているのを知り、研究を開始。紙製品を扱う友人の回木敦さんの協力を得て今年4月に印譜を出版し、一部を関係者に贈りました。 中込さんは「優れた作品を研究し、次の世代に伝え残すことが大切。ぜひ資料として活用してもらいたい」と話しました。問い合わせは中込さん、電話090・4457・0395へ。
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